井上尚弥選手VSダスマリナス選手

お知らせ, ボクサー, 日記, 通常ブログ

井上尚弥選手VSダスマリナス選手戦を考察。

https://twitter.com/naoyainoue_410/status/1407712609088905216

サウスポーのダスマリナス選手に対して、
まずは左手をしっかりと上げて、右ジャブを警戒する尚弥選手。
しっかりと機能しているので、次の段階に入ったように思われます。
次は、相手の前足よりも内側に自分の前足を入れてのジャブ。
そして、踏み込んできたときには、フックを合わせる。
この二手がダスマリナス選手の行く手を阻んでしまったのだと思われます。

伏線として敷いたこの二手でダスマリナス選手が行き詰ってしまう。

尚弥選手は基本的に、ジャブ単発なら前足はダスマリナス選手の内側。
そして、ワンツーを踏み込む際は、前足をダスマリナス選手の外側に出すことを
丁寧に遂行しているように思われました。

伏線を色々と用意してきた尚弥選手陣営だと思いますが、
今回は、早い段階でダスマリナス選手が何もできなくなってしまったという感が強い。

KOした3ラウンド目は、立ち位置が若干荒くなったように思われますが、
それもダスマリナス選手の動きが鈍っていたことを考慮したかもしれません。
前足である左足が不用意にインサイドに入った際は、左足を外に抜いて
立ち位置を安全地帯にエスケープしていた場面もありましたので、
やはりパンチをもらわないことを相当意識されているのだと感じました。

ダウンはインサイドへのパンチでガードを絞らせて、
外からレバーで仕留めるという教科書というべき倒し方。

やはり、立ち位置が絶妙。
立ち位置と距離感により被弾を最低限に抑え、
常に自分のパンチを当てやすいところ、相手のパンチをよけやすいところに
立ち位置や重心を置いている。

《!注意!》尚弥選手のインサイドへのジャブだけを普通に真似ると
1.自分が打ったジャブをサウスポーの前の手である右手で上から普通にパーリングをされ、
  さらに上からジャブを返されます。
2.相手の返しの左ストレートもしくは相打ちの左ストレートをもらう位置になるので、
  その技術だけを切り取って真似ると痛い目を見ることになると思われます。
尚弥選手のスピード、立ち位置、次への準備、すべてをしっかりと遂行するために
日々相当トレーニングをされているのだと強く感じます。

尚弥選手のサウスポーに対する
インサイドからのジャブ(とそのあとにパンチをもらわないこと)は
相当な高等技術です。
簡単そうに見えることこそ、本当に奥が深く難しい。
高等技術を高等技術に見せない尚弥選手に脱帽です。